2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

白いアルマジロの目覚め

詩人として朝目覚め、坑夫として喧しい草原、夜に死ぬ銀行の前で立ち竦む白く小柄の男のひとちいさくも美しい頑強な花束の黒ガラス(六角レンチ)を手に滅多打ち。 彼らにみえているのは俺か?お前からみえた光りはレンズで曲がり、倒錯の檸檬、赤ン坊が夢見…

ブルー

皆んな性の産物だ間違った夜の続きだそれがキッチンで料理を作る学校支度をしているオフィスで頭を下げきれいな空に心を動かされている新発売のゲームを待ち望みコカ・コーラのペットボトルを宙に投げ後ずさりの純情、隠しもてあましてる青いレゴ・ブロック…

ミイラ海峡

雨の墓地、そこは英国か十字架が闇のもやの中きらりとひかってるそれは逆上がりの鉄棒のよう午後の沈む太陽を待ちわびてみるあの移ろいの普遍、譲渡の海流だフライパンの上でダイヤを転がし、それは溶けて想い出になった

pyg豚なめ

豚を舐めるさっさと舐める変態を誘い込むそのケツは神がおまえに与え給うものか下らない螺旋、ルーペで覗く髭色褪せた絵画、時代の交錯カマキリは額縁を這いまわるいみじく落ちる光りの瑠々ときに市民が王を堕とす灰色王冠は老婦の額、緑の粒に、窓際の端に…

駅にて

霜焼けの季節焼けろ焼けろ焼けろ舌かんじゃったぬるりと緑の蜜がながれ出る安い裸、脱いでしまえばどこまでもちんけに黒ずんだタイルが目にはいる 気になってしまう堂々とした足取りだ、まるで僕らとはちがうほかの時代に生まれた偵察隊のようでもこの中にぼ…

世界

女どもが長らく惨たらしい蠅にみえていたもっと言えば蛆虫か男どもは透明な人形だったとかく居場所を感じないこの世界に孤独であるとかそういうんじゃない理解者がいるとかいないとかそういう問題じゃない本当に地球だったのかそういうはなしだボードレール…

人工物

女性器の文様を愛しているかそれは何だちっちゃなほら穴だ色んな動物がねむる声もきこえる覗く目と目が合ったこれは何だ主人は虚ろな顔をしている活気づいたこちらをほったらかして俺はこいつの為に人生を裁断された美しさも憎しみも怒りも後悔も残らずこい…

死っころ

死、別に救いでも忌避するものでも、なんでもないころがった石ころだ折れたチョークの欠片だぶさいくな彼女の友人だ

コイン拾い

中学の時にみてたコインその反対側にあったのが今の僕 コップの下に滲んじゃってるミルクティー新しく買った縞模様のカーテン 走る校庭の音、汽笛でゆれる電線全ての人に軽んじられてるあの感覚 詩を攫って笑われたなぁ、ここには何もないや 僕は苦笑いを浮…

似た者

ガラスのガム オレンジの斧 黒いカラスの合唱 ベージュに敷いた犬 博物館の書物 深く覆った農夫の帽子 これらは辞書の同じページに書かれた俗物だ

ちょっと◯◯◯してくれないか

ちょっと◯◯◯してくれないか俺はその音を聞きながら、ちょっとした詩を書いてるマズいな、うまく書けないやゆっくりになったね、このへんのながれも郵便夫はいまもあちこちまわってるんだねつぎの家は行きたくないな、あそこのイヌの眼つき怖いんだよな、なん…

老いた月

老いた月が颯爽な曲がり角の車に映るこりゃいいや なんだか街灯の闇が優しいね街全体がマフィアの巣食う根城みたいでカッコいいや白い霊が壁にはうつるいつも僕の心にはゴージャスな明かりがあってそれが熱くて仕方がないんだ 店から苛立って飛び出した娼婦…

宇宙の向こう岸に

宇宙の向こう岸にそのオールを離すなよあ、ひとつ流れてっちゃったね月が幾つも映ってるよ ここは宇宙、水面に動物がいたりそびえ立つ松の木が風と水面に映ってたしかに声が底の方から聞こえてきたりこんなに楽しいことって生きてた時には無かったはずだよほ…

水を遣り続けるんだ

神聖な風船の水を遣り続けるんだ怖ろしい化け物が生まれるゆたかな夜の土をひっぺ返すような奇妙にゆがむ化け物が それは過去子どもによって、地中深くに埋められたエメラルド嵐の日に赤く尖る邪悪なエメラルドだ 怠惰なオバケの墓地が近くでねむってる余り…

星月夜

俺は星を夜に投げつけた そのショットガンは月夜をバリバリにした ショットガンの叩く音が薄氷に映った 芸術だけの夜はぼくらの路に通せんぼした 山小屋のリビング、バラバラになった氷、硝子 眠りながらそっと小さな夢を数える幼い子

夜明け

貧しい木こりは背後にこっそり隠しもってた、お気に入りの音響砲で、林を愉しげに駆け抜ける一羽の兎を撃ち抜いたそのショットガンは月夜をバリバリにした崖を転げ落ちた金色の肉は赤く引き裂かれ、氷の線の入った泉のように綺麗な液が垂れ流れてるそれがど…

告白

帰り道、ふいに見えたオレンジほど美しい物はない それは心に迷い込んで 机の引き出しを何度も開けさせた

黒いマブダチ

黒いマブダチ、花を摘む ボードレールやセザンヌ、ゴッホと肩を並べた

創造滅レツ

今ごろ春は、あの子のなみだを黒い犬に届けてるここらの運賃は、神さまが払ってるアイツの定期はもう切れてるってのによプラモデルのような宇宙が、ぼくの前を彷徨くそのサマは、灰色の配管に閉じ込められた、憐れな中年サラリーマン、すなわち僕らの父だ心…

風に揺られて

動くたびに浮かぶ、向日葵畑、その花弁に浮かぶ傷 君の才能が枯渇するのを待って、一緒に旅でもしようか

噴水

アイスクリーム塗りたくって、夕暮れの肌に染み込んでこれまでもこのまま笑ってられんのかなって鳥の翼、飛び散った羽根のようなきみの髪にやわらかいウシのような君の肌に ふと目を離せば修復遅れの名画のようにぼろぼろと荒んでゆくけどルーペで見てるぶん…

春の変貌

私は君になりたいきみのまま寝床で起きて気怠い体を噛み付いた蛇のように引きずってありふれた朝食に口をつけこれからのことに物思いに耽っていたい自然や文明がもたらす美や利の拡がりには目もくれずただ自分のあるく姿に魅入られていたい まえを歩くときに…

ヴィーナス参照を参照

君はクリームで出来てる その弾むような乳房 白昼触れて遊んでみれば、噛みごたえもなく 風は栗毛の香り、午後の過ぎた絶唱のよう 君を留めるベルトがながれて、白い荒波のタオルが君を包み込む ステッチの効いたその宝石、転げまわって風とあそぶ 君のきら…

ヴィーナス参照

君はクリームで出来てるその弾むような乳房触れて遊んでみれば、噛みごたえもなく風は栗毛の香り、絶唱のように君を留めるベルト、白い荒波のタオルが君を包み込む君のきられた髪はどこへやらそれだけは繰りかえす愛唱、ねこの蛇キャミソールをそっと開くピ…

バナナ賛成

バナナを持った老人話しかける図書館の隅 やさしい白髪がパインジュースのように溢れてる 骨がポキポキとうごきだしてる眼だけはにょっきりと こんなやつはバットで滅多打ちだ殴っても殴っても 小鳥が頭のなかから溢れ出て、館内を飛び回ってさえずった

きみと海水浴

きみと海水浴夏の匂いをかごう外がうるさいけれどきみにはここがいいよね空の文句は今日もおちてさ僕らの肩を汚すけど熱い夏のことだから枯れて 枯れて 枯れて風の匂いを嗅いでいるんだよくみるからさ波の列模様だって、全部ちがう音だって毎秒やさしくなが…

沈黙

自分が腐っていってるのが分かる喰い散らかされちまってるストローで啜るだけすすられて後に残るは、こんな残りカスばかり 誰かしらは気づいてるこれ以上は無駄だってことこっから何を始めよう? ルパート・パプキンはどっかへ消えた前にはガラス後ろには柵…

ひまわりな日常

その旅人はコートを肩にかけてやってきたその旅人は世にも珍しい型の壊れた時計を持っていた来る途中、風に飛ばされた時に破損したのだという 旅人はコートを木のラックにかけて熱いコーヒーを注文している外は吹雪で近所の子供たちが傷ついた小鳥をどうして…

部屋

燻られた肌のにおい風呂にはいらずテレビを見てたゆうべの赤ワインがチョポンとのこってるまぶしい朝日も薄いカーテンにひためかされ今日の十一時には、興醒めなノックがやって来るだろう女と帰って来りゃあまだサマになるのに

蠅でバット-Another

蠅が集るなら搔き毟れ、追い立てろ窓の縁から覗く、小さな人その眼は僕の心に気づいてるみたいで容器にたっぷりと入れたメロンソーダのストロー弾ませながら僕ら今だけは前のめりの内気者 溶け合い罵り合い歓びの螺旋は 僕らの頭にあるのはちんちんを触る小…