2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

桜樹

桜が海に生えまして樹皮を磨いてさらばえます波が幹にぶち当たりますイタイイタイイタイイタイ夜になればしづかです夜になれば乱暴です花もいずれ咲くでしょう花弁いずれ落ちるでしょう海は気づかずはこぶでしょう海はしづかにはこぶでしょう わたしは気づき…

曇りガラスの夜に

曲がりくねったソフトクリームのような空 木製の滑車は朝陽を受けて、恥ずかしそうに佇んでる 子供たちは駆け寄り、葉っぱをなげて笑ってるそこらにはたくさんの小さなみずたまり夜をうけて村人の暗いこころを黒く滲ませ映してる もうそろそろ帰ろうおばあち…

色彩の海

ここはパレード象は空を飛び、サーカス団は水の中のお色気ビーズみたいに動き彷徨ってた猫は空から降ってくるし溶けた飴玉が路面をきらきらと照らしてた道すがら行く老婆のステッキも、ぴくぴくと先が上のほうに吊り上げられ、跳ね上がって寂しい夜に飛びか…

サラバ

きみどり色の空は苺のパンツ

ただの意地らしい狂暴な革命をしただけ

ただの意地らしい凶暴な革命をしただけ青い蜜の滴る、潮の脆弱な牛共の咆哮 奪い取られた花共の明後日からの奏演俺はこの時間に逆光の赦されない一言を残したかったその宇宙の一空間にメロディアスな言葉の配置を記した 涙はその高塔の青い昼間に忘れ去られ…

草原

狂ったように泣いた朝君の上には見知らぬ男が乗っかってランドセル放っぽり出して遊んだことなんかおもいだして草の上のつま先がしびれてる 女性が呼吸をすると、それは寒々しい霧のなかを意思なく在る汽車のように惨めでその意味のなさが僕に追い討ちかけた

リズミカルな拍手が町に鳴り響いた

リズミカルな拍手が町に鳴り響いた嬉しい感情が俺、悲しい感情があれネットワーク回避、バズーカの地鳴り時計ははしたない、間取りは取り返しがつかない猫の目より蛇の足チカチカ点滅する宇宙船バーガーショップに寄るパイロット同僚の目は灰色に飾り、家族…

毒林檎

毒りんご売り赤いコントローラー口の大きな哀しみ、深海魚

ヌード

夜の風にもたれかかった 俺は夜にもたれかかった

ウンザリ

色んな美があるのに、それを一個一個征服するのに忙しい それは体に無数にできたイボを、いっこいっこ手で潰していくがごとくである

夢うつつ

超合金のロボットソーダ水と並べて 幼い俺はよろこんでそれを眺めてる

寝床

足が無い ゆうべの雑煮 蝿がいた

路上

わたくしの 影切る風に 柿みのる

覚醒

薬漬け 朝日まぶしい 冬景色

ふれあう

彼女は一瞬で思い出になった手が届かないからすれ違ったその瞬間に記憶は焼けて消化不良使いものにならなくなったその圧巻の美しさと洗練にぼくは惨めな虫になった飛び立つことすらばれそうで届くまえに払い落されてしまいそうで部外者に生まれ付いてしまっ…

バレエのあの子に

俺は彼女が好きだったその笑顔しなやかな品のよい振舞い哀しみを滲ませた無垢な明るさ都合のわるい過去ともにもち帰りたいとおもったこんなにちがうんだから信頼し合うのはむりだろうでもただ一緒にいたかった気にいらない思想と感覚、眼それでも抱きしめて…

田んぼ

魔城にひそむわ、ヒッソリと美しいネズミがけたゝましく鳴り響いてるわ恩情かけたら抜け目なく死にながら凍りに頬をしのばせて後悔の数だけ笑顔をふやすぞ霊感は冷たいヒト殺しにだって宿るのよまぶしいくらいに田畑が輝いてみえたならそれが君の死ぬときだ

チキン南蛮をもつ精霊

チキン南蛮をもつ精霊ミイラの腕が海峡にながれたきんぎょの金網六角レンチはやく助けるんだ!青く弾けたテーブルクロス なにをもっているんですか?チキン南蛮ですなんですって?チキン南蛮ですえ?チキン南蛮です