宇宙の向こう岸に

宇宙の向こう岸に
そのオールを離すなよ
あ、ひとつ流れてっちゃったね
月が幾つも映ってるよ


ここは宇宙、水面に動物がいたり
そびえ立つ松の木が風と水面に映って
たしかに声が底の方から聞こえてきたり
こんなに楽しいことって
生きてた時には無かったはずだよ
ほら、ギターの弦をつま弾く音も
ここでは技量なんていらないんだ
誰もそんなもの見てやしない 
どれだけ楽しんでるか
どれだけその音を自分で愛してるか
それしか誰も関心ないんだ


掻き鳴らす音に皆んなが心浸っている
何故だがそんな時こそイヤになって
またあっちを覗きたくなっちゃったり
ここでは心がバレちゃう
思った瞬間、すべてが目の前に
時間も場所も無い
実現への意欲も苦労も無い
欲しけりゃ掴めば良い
もうオールなんて放っぽり出して飛び込んだ


寒い俺にストーブと毛布を与えてくれたのは、俺の知ってるおばあちゃんじゃ無かった
襟がいやらしく立ってる
どれだけ楽しいものを見てきたか
それだけがここじゃあ価値らしい
まともな事なんてつまらないよ
狂って宇宙の果てまで泳いでいよう
風邪をひいたら眠るだけ