2020-01-01から1年間の記事一覧

山頭火

ウォール街で株式大暴落そのころ横を通りすぎる山頭火草でねむる虫を踏む

氷ときいろ

ひまわり畑に沈むむらさきの夕陽電線には一羽の鴉、向こうの雲にゆめを見るジリジリと暑い夏の日の事だ氷をそっと一つ置いていこう 御転婆な黄色に少し水色が滲んでさびしくなった 町外れつめたい精神病棟では、 机の懐中灯の上を蜘蛛が這ってるジリジリと外…

カレンダー

4年後の日付その曜日ももう決まっている何をしているかも分からない 死ぬ日付それが何日であれ曜日はもう決まっている

月が雲を焼くその季節のなかで 星はホクロみたいに動かない 永遠の悟りなんて手に入れたらこの画集もいらなくなってしまう ようやく隣に座れたあの娘ですら白骨化した景色になってしまうだろう

心臓から

心臓から煙が出ているそれに首を傾げて今日も風のはじまりで布教活動説法は風に吹かれて辞書の文字になる 羽根の降る夜感情は粘土のように思い付きの形でそこにあった 極めつけは愛の鞭とやら叩かれれば心臓が軋む泣きたいくらい身体を引っ掻き赤らんだ肌で…

休息

公衆便所で踊る道化師よ夜がたちこめ、鳥たちの瞳が怪しく夜に投げかけるそのひんやりとした嘲りよ うつくしい噴水のうえで人々の暮らしはパチパチと暗澹と燃え広がる月がその光りの滴を溢れる液体のように路上に照らす 買ったばかりの大きな靴をパタパタと…

決意

あなたが画家になりたいと決めて仕舞えば普段は仕事からの逃避場心のオアシスとしていた画集もあの絵の具たちの囁きはどこへやら単なるつめたい教科書へと変わるだろう あなたが科学者になりたいと決めて仕舞えば飛び立つ好奇心の温床いつだって少年時代に連…

それから

女性という神聖で下劣でポエジーな俗物

時計

改善と改悪のるつぼに嵌り、宇宙のウミガメ時計のなかをおよぐその姿、光りの断続的な歴史のようパーマ姿のいじけたおばさんは、落ちてる煙草を拾いあつめてるその姿、貧しい看護婦と天使か?解決不要、暗夜の事件を今日も彼はうごかすさかりのついた犬が初…

冷蔵庫みたいな衝動

冷蔵庫ぶっこわせ 冷蔵庫ぶっこわせ鳥小屋開け放せ 鳥小屋開け放せ犬は白い海に見惚れてる都会の猫が耳にするのは プリンターの音ばかり歪んだネクタイの社長 蒼白い部下に指導する外ではもうずっと太陽が鳴り響いてる テレビのニュースキャスター 愛し合う…

蟹勾配

脳にひしめく星たちは窓辺の蟹のやうに緑を引き裂き熱く貧しい血を枯らす雷いかずちが怒りの代替物として 白い岩石を塗り固める爪はバラバラに宙を向き犬飼いの視線を青い夜めに紛れさせる盗め盗め盗め剽窃が真理の横切った証だ裏切られた過去の総帥だ脱げ、…

27年

理想と現実は溶け合いそれなりでもない何かが垂れ流れていく響き渡るでもないそのメロディは近所の犬や屋根や綿毛なんかと一緒にただのいつもの町の一つとなっていく 歪な感動や生活に負けない衝動までも景色のなかのいっときに 俺は夢は達成しなかったがそ…

カラス

俺の首が森繁く通路に転がった喜んでいるのは通りすがりの人々悲しんでいるのは俺と寝た事のない人ばかり トナカイの心臓を盗み出した男は言った此処にはもう何もないとそれを自分の顔に近づけてクゥーッと大きく息を吸い込む選ばれた夜の血の匂いだ 苦しん…

しゃぼん玉の屋根

しゃぼん玉が屋根の上まで飛ぶきみの顔は映ってる?街が逆さに映ってる嬉しいだけの感情が残ってる前歯はのぞいて、シミひとつヌード写真の切れ端が風に負けて飛んでいるまさかとはおもうけどこのまま終わってしまうなんてそんな事はないよね

反映された日常

欲望はちりちりと屋根のように燃えている黄色い筋が空と外の三輪車の間にはしってる太陽の暑さは岸辺の川の音を掻き消すほどでおばあちゃんの歯も水の粒を映して反射する子供が走ったあとの砂利はどうしてこんなに美しいんだ?樹のざわめきは貴方の視線を逸…

星を好きな形にけずろう夜を悲しませないように光りがその姿を危うくする期待を夜に飾るほら平凡だ お月様を使ってジャンケンをしよう生意気なケツを掘ろう国々は和菓子のように陳列されてる 沈黙はマーブルチョコ?バター犬が近くを彷徨いてる

コイン拾い

ーーー動くたびに浮かぶ、向日葵畑、その花弁に浮かぶ傷 君の才能が枯渇するのを待って、一緒に旅でもしようか 中学の時にみてたコインその反対側にあったのが今の僕 コップの下に滲んじゃってるミルクティー新しく買った縞模様のカーテン 走る校庭の音、汽…

等価交換

笑顔はすばらしい笑顔は素敵ですただ美人の放屁はぶすの笑顔と等価値です 優しさはすばらしい優しさは素敵ですただブサイクの優しさはイケメンの足蹴と等価値です ガラスのなかの石ころは河原に落ちてた宝石と大空駆ける鳥の羽根はあの汚らわしいコートと成…

芸術

どんな高尚な絵よりきみのオッパイのほうが僕には大問題聖堂がぶち壊れそうなほど株価が大暴落しそうなほどだから君は歴史上の誰よりも立派な芸術家だ勲章をあげよう 君の腰付きはどんな音楽よりもこの生の喜びを高らかに官能的に歌ってるそこに批評は要らな…

性と愛

美女を粘土でつくりたい時々つまようじで穴を開け風の隙間作ってあそぶのさ きみの肌に砂をのせて風がそれを盗むまでじっと楽しい話をしよう 庭のベンチ蝶を追いかけるその手太陽が靴ひもの泥を焼く 嬉しくなったら駆け出そうそっちの街道はあぶない心はソー…

だけど

俺の情念をことばにしたなら中原中也だってランボオだって真っ青 はだしで逃げ出すぜ ポプラの木でみてたのは笑ったきみに見えたけど 名声は安心の地じゃないよそこにいたってソワソワ誰もがおんなじ不安を抱えてる 違ったやり方で幸せになりたい歴史上の偉…

バケツ

誰かがバケツをひっくり返してまた夜空に星がぶちまけられた きみは書類の整理夢中になる相手をまちがえないかいそんなの誰が言ったってきみの心をざわつかせるだけだから いくらページ捲ってもほしい言葉がないんだ誰かが何処かに持ち去ったことば今頃どこ…

散歩

そんな顔見せなきゃならないなら君の頭からバケツの星屑ぶっかけてやる幸せな時には人生の意味だとか考えられないものだからソファが妙に空いているそんな気がする明日ってやつは目の前で恥じらい草木や朝露やTシャツになって視界をぼやかしにやって来る 今…

計画

計画を練ってるおまえの後ろで月は泳ぎ 太陽は叫んでる また僕は靴をむすび直すふりフェンスの近くで鳥がもがいてる 透明なコンクリートをすりぬけて行ったことない場所や食べたことないもの 会うはずのなかったひとや僕じゃない誰かと 仮装パーティーのあと…

地球を救いに

地球を救いに行きたいからさこの書類は片付けといて 地球を救いに行きたいからさ彼女には謝っといて地球を救いに行きたいからさ犬の世話はしといて あぁ俺はこんなんじゃないこんなことしてる場合じゃない学んだことに比べてあまりに低い積木のタワーどうな…

霧の夜

俺の生活には魔術的なものが欠けている シャーロックホームズにだって、パイレーツオブカリビアンにだって、それはあんだよ 女性魔術的陶酔 俺はシャーロックホームズになりたかったが、それは必ずしも探偵になりたいということを意味していなかったそれが意…

俺の身に起こる事はどんだけツラく無様で悲しい出来事であってもすべて英雄伝の一幕にすぎないそんなふうに思わせてくれよ 風は真空 心は躍動してる子どもの頃観てたあのでっかい怪獣よりも育っちまってるんだ 紙風船が吹きっさらしのなか飛んでいく俺はまた…

蒼い心臓

皮膚ってなんだ 僕には肉が詰まってる牧師は苦笑い花が綺麗だこれが何だ 失意の心なんてとっくの昔に氷漬けその汗まみれの冷えた体今更嘲ろうとするヤツだっていないぜ 咲いた花の数だけ後悔だってしてきた好きとか憎いとか悲しいとか恥ずかしいとか僕にある…

色ちがい

彼氏のブレーキは裾を破っているよ サイレンは脳に杭のように刺さってじわりと沁みるよ脳に刺さるよ光りのよう帰りの車道は敵さ 悩みを癒さない 経験は外れた宝クジのよう 意味を成さない 理想を持てば打ちのめされる少しの違いに敏感になるでもこれが無けれ…

たりない

おれは君が本当に好きだけど君がいつか不貞の話をしてくるんじゃないかってワクワクしてるんだ 現実にそんな事があったら、おれは死にたくなるだろう 君に言われた「好きだよ」はなんか薄味で おれは本当に君が好きで好きでたまらない居なくなったらなんて考…