2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

季節

コップから溢れるばかりの情念が喉を塞ぎ体は心を離れて宙ぶらりん明日は今日へと漏れ出してる見馴れた玄関にもおぞましい怪物が道を忘れた魚のように漂って通勤路の涼やかな木陰に不吉な塊が机のようにそこにある 夜のベッドの懸命な映像にも美女はいない地…

雄鳥

倦怠は化学表に載らない気体であるいつも気づけば臓器に充満し希望を喰まんとする口を拒絶するそれでいてある時は自分の肉体の外部に部屋の隅にさながら忘れられた毛糸玉のように転がっている その穂先はいつ見ても何処かべったり湿っぽく赤と青の斑点が散ら…

地味な顔と良い体 ほんとに最高だなって思った 彼女が娼婦だったらいいな そしたら色んな男の話も聞ける 明日とは呼べない白い絨毯の上 聞くたびに心が粗く固い石になるのを感じるのなんて、 さいこうだぜ 雨が窓を濡らしながれるように 出来事が鬱を生活を…

前書き

俺はこの世界を論理で構築したかった甘ったるい叙情を排して、厳しく選び抜かれたピースだけで、世の中のスペースを隙間なくキツキツに敷き詰めて、調和の美を実現したいと思ったしかし俺には数字や図形、記号というものが、同時に酷く息苦しい別世界の借り…

オヤジよ死ね生活を破片から粉々に向学心を大気圏の外に幼少の不信がいまの不安な瘡蓋に呼吸は吐いてばかりだ俺の心臓の周りにはミミズ腫れ引っ掻いて首を傾げる重ねて塗りたくったような表情あとがきだけの人生

紙風船溶けて工場ができた

紙風船溶けて工場ができたそして鉄道が走り男娼は使えないボールペンしきりに書いてる 風見鶏彼女を連れてって風見鶏情け無いから風見鶏手がながれた シカが走り回って森が咲いて盛りを過ぎてその間にも人は死ぬ緑が増えて視界が滲むあの日の高級車は心の奥…

to Benzi

私が歩いたとき、外は街だったそこには美しいものはなにもなかったただただ密集する蝉たちが、不要になった言葉どもを塗りつぶしていた 私は怖ろしかった、宿題のないのが私が夢にまでみたテニスコートでは黄色いボールが優しげに跳ねていた私はそこにいる人…

黄金の指、広々としたプール

黄金の指、広々としたプール広場では水晶のような子ども達が明かりに照らされて笑ってる 親たちの顔は闇夜に浮かぶ深海魚偽の風に吹かれて晒されて キャメラは海に落ちて息を吐いてる 夕陽、顔負け、夕日吐息はキャメラ