噴水

アイスクリーム塗りたくって、夕暮れの肌に染み込んで
これまでもこのまま笑ってられんのかなって
鳥の翼、飛び散った羽根のようなきみの髪に
やわらかいウシのような君の肌に 
ふと目を離せば修復遅れの名画のようにぼろぼろと荒んでゆくけど
ルーペで見てるぶんには、それは奇っ怪な崩れゆく温床、出来過ぎた時代と光りの勾配効
君の姿ぜんぶが舞い上がったあの噴水の翼みたいにみえる


宝石が等間隔に埋め込まれたその肌に 
季節はずれの雨露をおもいだした
それは巻き舌のように迷い込んで、黒に近い青を光り鈍らせてる
そのころ真っ白なエメラルドは、雨と一緒に地中で赤を尖らせる
頰の冷えた温度が、逆に今を確かなものと錯覚させた
風が君を砂にして吹き飛ばしてしまう前に
残りの物を片付けておこう