2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

バケツ

誰かがバケツをひっくり返してまた夜空に星がぶちまけられた きみは書類の整理夢中になる相手をまちがえないかいそんなの誰が言ったってきみの心をざわつかせるだけだから いくらページ捲ってもほしい言葉がないんだ誰かが何処かに持ち去ったことば今頃どこ…

散歩

そんな顔見せなきゃならないなら君の頭からバケツの星屑ぶっかけてやる幸せな時には人生の意味だとか考えられないものだからソファが妙に空いているそんな気がする明日ってやつは目の前で恥じらい草木や朝露やTシャツになって視界をぼやかしにやって来る 今…

計画

計画を練ってるおまえの後ろで月は泳ぎ 太陽は叫んでる また僕は靴をむすび直すふりフェンスの近くで鳥がもがいてる 透明なコンクリートをすりぬけて行ったことない場所や食べたことないもの 会うはずのなかったひとや僕じゃない誰かと 仮装パーティーのあと…

地球を救いに

地球を救いに行きたいからさこの書類は片付けといて 地球を救いに行きたいからさ彼女には謝っといて地球を救いに行きたいからさ犬の世話はしといて あぁ俺はこんなんじゃないこんなことしてる場合じゃない学んだことに比べてあまりに低い積木のタワーどうな…

霧の夜

俺の生活には魔術的なものが欠けている シャーロックホームズにだって、パイレーツオブカリビアンにだって、それはあんだよ 女性魔術的陶酔 俺はシャーロックホームズになりたかったが、それは必ずしも探偵になりたいということを意味していなかったそれが意…

俺の身に起こる事はどんだけツラく無様で悲しい出来事であってもすべて英雄伝の一幕にすぎないそんなふうに思わせてくれよ 風は真空 心は躍動してる子どもの頃観てたあのでっかい怪獣よりも育っちまってるんだ 紙風船が吹きっさらしのなか飛んでいく俺はまた…

蒼い心臓

皮膚ってなんだ 僕には肉が詰まってる牧師は苦笑い花が綺麗だこれが何だ 失意の心なんてとっくの昔に氷漬けその汗まみれの冷えた体今更嘲ろうとするヤツだっていないぜ 咲いた花の数だけ後悔だってしてきた好きとか憎いとか悲しいとか恥ずかしいとか僕にある…

色ちがい

彼氏のブレーキは裾を破っているよ サイレンは脳に杭のように刺さってじわりと沁みるよ脳に刺さるよ光りのよう帰りの車道は敵さ 悩みを癒さない 経験は外れた宝クジのよう 意味を成さない 理想を持てば打ちのめされる少しの違いに敏感になるでもこれが無けれ…

たりない

おれは君が本当に好きだけど君がいつか不貞の話をしてくるんじゃないかってワクワクしてるんだ 現実にそんな事があったら、おれは死にたくなるだろう 君に言われた「好きだよ」はなんか薄味で おれは本当に君が好きで好きでたまらない居なくなったらなんて考…

ゼリー

俺の感情をジュースにしてお前に飲ませたい少しは俺の見る目変わるだろうか好きになってくれるだろうか心は固い消しゴムのよう目を開いていても映るのは自分の感情ばかり 明日君に会えたなら明後日までは生きられそう来週君に会えたなら水曜までは生きられそ…

透明な森

これもダメ あれもダメ世界は眩しい水藻と灰色手のうえで微かに兵隊のオモチャが落ちてしまわないように 嬉しい感情穿ってみれば邪な感情レモネードのように 草っ原に作業車と 世界は透明な森々にかこまれて近所のおばさんまるで水槽のなか風の鳴る買い物袋…