2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

夢中

俺には心がある、これが何かになればいい ゆりうごかせば、覚めるのか 取り上げてやれば、拗ねるのか 冬のタイルに打ちつけて、その跡はのこるのか 痕跡になってはじめて人は確認出来る 虫、蝶、車輪、瓦屋根、皆んなそうだ 苦しいばかりが癖になってきた 動…

夜が世界を飲み込んだそして星たちを吐き出したのだ 愛した女が更年期障害だったさ 星の罵声を背にして雪の残る裏路地を優雅にあるく 自動車工が汗水をたらしてる目に映るもの全てやさしく冷たいものばかり

美女の鞄からオレンジ

美女の鞄からオレンジそれはぼくに夢を見せた 最高の夢夏子と仲良く過ごす夢 化石と七色の六角レンチ君の瞼は尻拭いをおそれた それは内臓のようなものだった想像上の果物で色を塗りつけた

夜の窓

過信。過信が奇跡の素だ。 味噌から手が突き出てきた。 それは夜の星空を掴み、憐れな讃歌を聴きながら。 タンクローリー、夜より浮き出て昼間の鬱憤を晴らす。 世界だ。世界の歪みと遅延は、未来の喜びだ。 この世の不幸は、来世からの切符だ。 カフェの住…

粉塵な夜

お前の魂と頭蓋骨は粉々ごちゃ混ぜになって嫌悪と吐気とに溶けあっている 枯れた大地にも掛けるみずうみの血潮 嬉しいだけの感情がここでは光佇んでる 御礼を言いたくて頭を下げた いつも廊下で突っ立ってる亡霊は見境のない案内板か わが魂は路面の底に擦り…

包帯

無口な林檎が荒波も自然の光も浴びた公園の滑車をも乗り越えてやってくる それは活写された上映、患者をあつめて炎上する薪の跡 骸骨は隣の城に居座って 星のきらめき、東海の肌寒さ ことば遊びが何になる サッカーボールが残酷な想い出、蘇らせて 俺はそれ…

街並み

呪いの少女と街を歩いていたその町々の雰囲気は荘厳で家々からこぼれ出る灯りはまずしく光り輝いていた歩けどあるけど踏み締める足の感触がない雲の上を歩かされているような少し身体ごと夜に傾いて行っているようなそんな感覚を覚えた少女の方をちらりと見…

悲しきイカロス

イカロスは墜落したもの 人類なんてどこにあるかも分からない正義が、目の前の人々を殺し海にした あの娘に借りたラッパが悲鳴をあげちゃうくらい美しいなこの贋作ばかりの銀灰の世界は

嘲り

俺のなかの詩神を取り返しに行ってる 無力感こそが、若き頃よりの俺の伴侶である 自分の才能への確信、懐疑の消滅 どうしたら俺の心は救われる 人から称賛されたら? 多分そうだ、結局俺の判定は何も赦さない 自分のなかの芸術家を絶えず虐めてしまう 鉄の桶…

あつまり

子どもの頃の写真を抱えて眠る 理想の上塗りは何処までも乾いてしまって ライブハウスではひさびさの再会によろこぶ 特段ここでは昼間のことは話題にならず 差し入れのお菓子と記念写真と青い息 自分の背格好も性質も爛れた黒い海に流したい だから鄙びた地…

幻影

ダイナマイトを持てる男、黄色い草原 鉄のように硬い路面を青白い不健康な顔で静かな息遣いで歩いている その眼は死体のように控えめで祭りの後のように淋しく喘ぎ佇んでいる汚く傷のついたびー玉のような月が空の黒に今日も貼りついている ああ、穿ったもの…

帰路

蟷螂のような足でこの商店街を闊歩している月は...... 雲が空にあまってるはだしで僕は......路傍に雪が盛り上がってふえていく わらい声は月夜に雪と混じり合って錆び付いたトロッコのような音を病気の夜に響かせるのです......

養色の色気

養色の色気九喇嘛の顔だちその立体感校庭の晴天をぬめぬめとつきやぶるような 風に震える障子の張り紙に九色のくるしみ、にがみ惚気? 心にさざなみも起きぬ風は吹けども癒さぬ遠くのどこかで真理をいぢめる声がする

嗚咽

色なんて想像しなきゃみえないくたびれた男煤けた色カリオストロの城なんて見当たらない喘息 肺炎 優しいね おそろしい夜に ビールの空き缶覗いて 脳に落としてるだけ

砂金

詩の蒸留場となるのは、安心と疲労、憂鬱である。 イルカに腰掛け、朝陽を迎えたい オレンジの筋が走るあの朝陽の下で 黒くカラフルなボール目まぐるしく動いて草をそよがせ 茶色い金属、奴隷業の心地よさ一行は斜めに降ってくる風に身をまかせ狂ったばかり…

脳星夜

脳にひしめく星たちは窓辺の蟹のやうに緑を引き裂き、熱く貧しい血を枯らす雷いかずちが怒りの代替物として、淡い海岸で白い岩石を塗り固める爪はバラバラに宙を向き、犬飼いの視線を青い夜めに紛れさせる盗め盗め盗め剽窃が真理の横切った証だ裏切られた過…