ひまわりな日常

その旅人はコートを肩にかけてやってきた
その旅人は世にも珍しい型の壊れた時計を持っていた
来る途中、風に飛ばされた時に破損したのだという


旅人はコートを木のラックにかけて
熱いコーヒーを注文している
外は吹雪で
近所の子供たちが傷ついた小鳥を
どうしていいかわからず両手ですくってる


その水たまりは妙に色がついて見えて、
紙風船が溶けて出来たみたいだな


頭を打ちつける子ども


情けない深海魚
溶けてしまった紙風船のよう
1000本のバラが風に吹かれて


1000本のバラを空に放そう
誰かがそこにはいるから


氷をそっと一つ置いていこう 
御転婆な黄色に少し水色が滲んでさびしくなった


きみが投げたボールは、すべり台のカゲのうえに落ちたよ


クリーム色した空の下で
僕たちは戯れているんだね
飛んでゆくビニール袋みたい
ライオンじゃないんだって


ギターのコードを押さえるように泣いている
ひょっとしたら笑ってる


校内放送
校舎のカラフルなタイヤの上を跳んで遊ぶきみに気づいてほしくて


無量大数のひまわり
上で弾け飛んだ子犬
見えなくなって


急に上にいる君が生々しく感じられた
ひまわり


そこでは詩人がつまんない工具をつくってる
油でべたべた、拭いても取れねぇってさ
ひまわり今日は眠ってまた起きて