散歩

そんな顔見せなきゃならないなら
君の頭からバケツの星屑ぶっかけてやる
幸せな時には人生の意味だとか
考えられないものだから
ソファが妙に空いている
そんな気がする
明日ってやつは目の前で恥じらい
草木や朝露やTシャツになって
視界をぼやかしにやって来る


今日は君がバスでやって来る
急いで買いに行こうアイスクリーム
戦車も福祉も純愛も宗教も
僕には重たい辞書の一部でしかないから
これから始まることなんて
これからでしかないから


愛するひとにきかせた
悲しいものがたり
こんな気持ち分かるかな
愛を語ってるヒマがあったなら
道路で横になって
星をみせびらかす空に
叫んだら良かった


読み耽ってた哲学書
何処にしおり挟んだだろう
どうせ生きるには今しかないから
向いた方が前だとして
朝陽はそこに在るのだろうか


あの娘が笑いながらこっちを見た眼
見逃した訳じゃない
だけど僕にはこれからがあるから
前向きな気持ちなんて
重苦しいだけだけど
この夏の匂いだけはうそじゃない


負け犬が座り込んでお手をする
きみはそれを横目でみて
ルーレットを回してる
かたまり切った感情が
粘土のようにそこにある


何度でも夏の暑さに
君の声を聴く 影をみる


この感情だけはうそじゃない
この匂いだけはうそじゃない