2019-01-01から1年間の記事一覧

あつまり

子どもの頃の写真を抱えて眠る 理想の上塗りは何処までも乾いてしまって ライブハウスではひさびさの再会によろこぶ 特段ここでは昼間のことは話題にならず 差し入れのお菓子と記念写真と青い息 自分の背格好も性質も爛れた黒い海に流したい だから鄙びた地…

幻影

ダイナマイトを持てる男、黄色い草原 鉄のように硬い路面を青白い不健康な顔で静かな息遣いで歩いている その眼は死体のように控えめで祭りの後のように淋しく喘ぎ佇んでいる汚く傷のついたびー玉のような月が空の黒に今日も貼りついている ああ、穿ったもの…

帰路

蟷螂のような足でこの商店街を闊歩している月は...... 雲が空にあまってるはだしで僕は......路傍に雪が盛り上がってふえていく わらい声は月夜に雪と混じり合って錆び付いたトロッコのような音を病気の夜に響かせるのです......

養色の色気

養色の色気九喇嘛の顔だちその立体感校庭の晴天をぬめぬめとつきやぶるような 風に震える障子の張り紙に九色のくるしみ、にがみ惚気? 心にさざなみも起きぬ風は吹けども癒さぬ遠くのどこかで真理をいぢめる声がする

嗚咽

色なんて想像しなきゃみえないくたびれた男煤けた色カリオストロの城なんて見当たらない喘息 肺炎 優しいね おそろしい夜に ビールの空き缶覗いて 脳に落としてるだけ

砂金

詩の蒸留場となるのは、安心と疲労、憂鬱である。 イルカに腰掛け、朝陽を迎えたい オレンジの筋が走るあの朝陽の下で 黒くカラフルなボール目まぐるしく動いて草をそよがせ 茶色い金属、奴隷業の心地よさ一行は斜めに降ってくる風に身をまかせ狂ったばかり…

脳星夜

脳にひしめく星たちは窓辺の蟹のやうに緑を引き裂き、熱く貧しい血を枯らす雷いかずちが怒りの代替物として、淡い海岸で白い岩石を塗り固める爪はバラバラに宙を向き、犬飼いの視線を青い夜めに紛れさせる盗め盗め盗め剽窃が真理の横切った証だ裏切られた過…

桜樹

桜が海に生えまして樹皮を磨いてさらばえます波が幹にぶち当たりますイタイイタイイタイイタイ夜になればしづかです夜になれば乱暴です花もいずれ咲くでしょう花弁いずれ落ちるでしょう海は気づかずはこぶでしょう海はしづかにはこぶでしょう わたしは気づき…

曇りガラスの夜に

曲がりくねったソフトクリームのような空 木製の滑車は朝陽を受けて、恥ずかしそうに佇んでる 子供たちは駆け寄り、葉っぱをなげて笑ってるそこらにはたくさんの小さなみずたまり夜をうけて村人の暗いこころを黒く滲ませ映してる もうそろそろ帰ろうおばあち…

色彩の海

ここはパレード象は空を飛び、サーカス団は水の中のお色気ビーズみたいに動き彷徨ってた猫は空から降ってくるし溶けた飴玉が路面をきらきらと照らしてた道すがら行く老婆のステッキも、ぴくぴくと先が上のほうに吊り上げられ、跳ね上がって寂しい夜に飛びか…

サラバ

きみどり色の空は苺のパンツ

ただの意地らしい狂暴な革命をしただけ

ただの意地らしい凶暴な革命をしただけ青い蜜の滴る、潮の脆弱な牛共の咆哮 奪い取られた花共の明後日からの奏演俺はこの時間に逆光の赦されない一言を残したかったその宇宙の一空間にメロディアスな言葉の配置を記した 涙はその高塔の青い昼間に忘れ去られ…

草原

狂ったように泣いた朝君の上には見知らぬ男が乗っかってランドセル放っぽり出して遊んだことなんかおもいだして草の上のつま先がしびれてる 女性が呼吸をすると、それは寒々しい霧のなかを意思なく在る汽車のように惨めでその意味のなさが僕に追い討ちかけた

リズミカルな拍手が町に鳴り響いた

リズミカルな拍手が町に鳴り響いた嬉しい感情が俺、悲しい感情があれネットワーク回避、バズーカの地鳴り時計ははしたない、間取りは取り返しがつかない猫の目より蛇の足チカチカ点滅する宇宙船バーガーショップに寄るパイロット同僚の目は灰色に飾り、家族…

毒林檎

毒りんご売り赤いコントローラー口の大きな哀しみ、深海魚

ヌード

夜の風にもたれかかった 俺は夜にもたれかかった

ウンザリ

色んな美があるのに、それを一個一個征服するのに忙しい それは体に無数にできたイボを、いっこいっこ手で潰していくがごとくである

夢うつつ

超合金のロボットソーダ水と並べて 幼い俺はよろこんでそれを眺めてる

寝床

足が無い ゆうべの雑煮 蝿がいた

路上

わたくしの 影切る風に 柿みのる

覚醒

薬漬け 朝日まぶしい 冬景色

ふれあう

彼女は一瞬で思い出になった手が届かないからすれ違ったその瞬間に記憶は焼けて消化不良使いものにならなくなったその圧巻の美しさと洗練にぼくは惨めな虫になった飛び立つことすらばれそうで届くまえに払い落されてしまいそうで部外者に生まれ付いてしまっ…

バレエのあの子に

俺は彼女が好きだったその笑顔しなやかな品のよい振舞い哀しみを滲ませた無垢な明るさ都合のわるい過去ともにもち帰りたいとおもったこんなにちがうんだから信頼し合うのはむりだろうでもただ一緒にいたかった気にいらない思想と感覚、眼それでも抱きしめて…

田んぼ

魔城にひそむわ、ヒッソリと美しいネズミがけたゝましく鳴り響いてるわ恩情かけたら抜け目なく死にながら凍りに頬をしのばせて後悔の数だけ笑顔をふやすぞ霊感は冷たいヒト殺しにだって宿るのよまぶしいくらいに田畑が輝いてみえたならそれが君の死ぬときだ

チキン南蛮をもつ精霊

チキン南蛮をもつ精霊ミイラの腕が海峡にながれたきんぎょの金網六角レンチはやく助けるんだ!青く弾けたテーブルクロス なにをもっているんですか?チキン南蛮ですなんですって?チキン南蛮ですえ?チキン南蛮です

白いアルマジロの目覚め

詩人として朝目覚め、坑夫として喧しい草原、夜に死ぬ銀行の前で立ち竦む白く小柄の男のひとちいさくも美しい頑強な花束の黒ガラス(六角レンチ)を手に滅多打ち。 彼らにみえているのは俺か?お前からみえた光りはレンズで曲がり、倒錯の檸檬、赤ン坊が夢見…

ブルー

皆んな性の産物だ間違った夜の続きだそれがキッチンで料理を作る学校支度をしているオフィスで頭を下げきれいな空に心を動かされている新発売のゲームを待ち望みコカ・コーラのペットボトルを宙に投げ後ずさりの純情、隠しもてあましてる青いレゴ・ブロック…

ミイラ海峡

雨の墓地、そこは英国か十字架が闇のもやの中きらりとひかってるそれは逆上がりの鉄棒のよう午後の沈む太陽を待ちわびてみるあの移ろいの普遍、譲渡の海流だフライパンの上でダイヤを転がし、それは溶けて想い出になった

pyg豚なめ

豚を舐めるさっさと舐める変態を誘い込むそのケツは神がおまえに与え給うものか下らない螺旋、ルーペで覗く髭色褪せた絵画、時代の交錯カマキリは額縁を這いまわるいみじく落ちる光りの瑠々ときに市民が王を堕とす灰色王冠は老婦の額、緑の粒に、窓際の端に…

駅にて

霜焼けの季節焼けろ焼けろ焼けろ舌かんじゃったぬるりと緑の蜜がながれ出る安い裸、脱いでしまえばどこまでもちんけに黒ずんだタイルが目にはいる 気になってしまう堂々とした足取りだ、まるで僕らとはちがうほかの時代に生まれた偵察隊のようでもこの中にぼ…