脳星夜

脳にひしめく星たちは窓辺の蟹のやうに緑を引き裂き、熱く貧しい血を枯らす
雷いかずちが怒りの代替物として、淡い海岸で白い岩石を塗り固める
爪はバラバラに宙を向き、犬飼いの視線を青い夜めに紛れさせる
盗め盗め盗め
剽窃が真理の横切った証だ
裏切られた過去の総帥だ
脱げ、攫え、腐れ
満員電車から鉄骨の残像と漏洩に首を振れ
脳に弾を込めろ
夜が集中してる点を見極めよ
そこにはヌードの海が佇んでる
パラソル傾き星藪の空
バットで打ち鳴らす快青の音