色彩の海

ここはパレード
象は空を飛び、サーカス団は水の中のお色気ビーズみたいに動き彷徨ってた
猫は空から降ってくるし
溶けた飴玉が路面をきらきらと照らしてた
道すがら行く老婆のステッキも、
ぴくぴくと先が上のほうに吊り上げられ、跳ね上がって寂しい夜に飛びかかる
色彩はその隙間を泳ぎ流れでてる
重さを無くして自由に跳ね回る
余りの美しさにぼくは空の存在をわすれた
水辺の音が何処に居たってきこえてくる
人類が考古学の時代からずっと求めてきた有り難みがここには生息、点在してる
狂おしいほど口をあけて腕をぴくぴくと風の隙間に、兵隊のように跳ね上げて、歩いて行こう
真っ暗やみの夕日がぼくらの未来にお辞儀してる