曇りガラスの夜に

曲がりくねったソフトクリームのような空


木製の滑車は朝陽を受けて、恥ずかしそうに佇んでる


子供たちは駆け寄り、葉っぱをなげて笑ってる
そこらにはたくさんの小さなみずたまり
夜をうけて村人の暗いこころを黒く滲ませ映してる


もうそろそろ帰ろう
おばあちゃんもお手製の古くさい料理、でも沢山の鼠の笑顔で用意してくれてる


黒い水車の上を苺の群れが登ってゆく
水滴は光り、夜の受け皿となって


鶏の赤が跳ぼうと蠢いてる
ごめんねと言う声がちいさくはずんだ


夜のお城、階段をのぼり絵の額縁さすり


ふかふかの布団をのぞき込んで見れば、そこでは幸せがまんまるに吸い込まれていた


銀色の濡れたタイルはそんなときも路上で照っていた