坂道の下で

オバさん、買い物袋をふうせんのようにぶらさげて
ふとった兵隊の人形のように坂道を
トクトクトク
俺は後ろからピストルで撃ち抜いたが、破裂したのはおとばかり
太陽も味方につけてた
近くを通りかかった鳥だけが鳴き止んだ
まばゆい宇宙が破裂したような、そんな音すら感じさせたのに
夕暮れは頭のすぐそば帽子のように
チリチリと音と匂いも感じられるほどに
広がっててさ
フェンスだって揺れてる
それから俺は自分を撃つ振りして坂を下って
青黒い夢のなかで破裂を楽しんだ
破裂!破裂!破裂!
ひとりの部屋、空もない、音もない
ぶざまな死体が太陽に転がってた