夜の窓

過信。過信が奇跡の素だ。

味噌から手が突き出てきた。

それは夜の星空を掴み、憐れな讃歌を聴きながら。

タンクローリー、夜より浮き出て昼間の鬱憤を晴らす。

 

世界だ。世界の歪みと遅延は、未来の喜びだ。

この世の不幸は、来世からの切符だ。

カフェの住人達は傾いた机で足もとの猫を足蹴にする。

路上で冷たく光る緑色の鉱石よ。

 

失敗と恥辱を吸い込んだベッドで花は吹き荒れる。

何者にもならず、それでも既に何がしか算段をつけたかのような

想像上の果物で色を塗りつける、火曜の深夜二時。

 

情熱は無いが、満ち溢れたつもりで踊ってみる。

この部屋一つの窓にうつる人かげはなんだか悲しかった。