街並み

呪いの少女と街を歩いていた
その町々の雰囲気は荘厳で
家々からこぼれ出る灯りは
まずしく光り輝いていた
歩けどあるけど踏み締める足の感触がない
雲の上を歩かされているような
少し身体ごと夜に傾いて行っているような
そんな感覚を覚えた
少女の方をちらりと見れど
その少女はただ、真っすぐと前を見据えるのみであって
そこには感情らしきものは何処にも見受けられなかった
雪と埃が舞って頬をなでる
生きている価値は寒さに震える
考えもがき苦しんだ末が、これか
情けなくて夜の風が励ましてくれるのを待つ
風邪や喘息にでもなったら、少しは世界が違ってみえるだろう
夜の灯りのなかで球根はねむっている
根を生やそうと身を揺らすが
その意思は川のようにながれた