蜜柑

蜜柑を食べれば、手が蜜柑の匂いに
思い出したよあんな日々
校庭を走りまわって、石の下のハサミムシを見つけて、大喜びしてた


チャイムが鳴っても僕たちは走りまわってた
教室までダッシュでむかって走ってたんだ
すれ違う先生に注意されても、そんなの関係なく友だちと笑い合ってた


教室に着くともう皆んながいて、だけどまだ席には着いてなくて、次の授業の宿題のことなんか話しあってた


いつも半ズボンのやつがいて、あんまり話すのが得意じゃない子がいて、運動ができるけどカード遊びが下手なやつ、授業となると急に声が小さくなっちゃうお調子者がいた


俺は今蜜柑をたべて、その手の匂いを嗅いでいる
あの頃のアイツらが今どこにいるのかは知らない
でもときどきこうなるんだ