2018-12-03から1日間の記事一覧

くるしいのなら死体を吐け

くるしいのなら死体を吐けおまえのうちにはいるはずだ幾人もの死体おまえが殺した者たち、もしくはかばいきれなかった者たちの死体くるしいのならそれを吐けそうして白い屋根の下で口をゆすぎからっぽになった胃をみつめるときやるせない朝は過ぎる 知った顔…

散策

空は紫だった。あぜ道。田んぼ。 人は見当たらず、ただただ道を歩かされていた。 暫く歩いているとまえには、犬。なんだっけ、柴犬ってやつか? 咬まれることはないだろう。 不思議な確信を持って僕は近づき、僕は咬まれた。 犬に裏切られたという酷く悲しい…

偏頭痛

子供の遊んだ紙風船溶かして そんな水たまり見てみたいその近くの砂利にしゃがみこんで 溶けあう色々見ていたい ひまわり畑の丘のうえ ちいちゃなつめたい氷置いてきて みずいろに溶けてくの見てみたい 走る汽車のなか 黄色が滲むの知らん顔で見ていたい あ…

ある日の午後

なのに母はシャワーのヘッドとあらそっている シーツを這う蟻は宮廷の外に鎮座する家 官能的なイルカ正淑なシャチうるさがりのサメ彼らがベッドを引き倒し引き摺り込もうとする 二階の窓から見ていてあまりにも退屈な画であった

おそろしい欄干

詩が俺の中に入り込んできて、俺は体調を崩してしまった吐き気を催して、以前のようにはいかなくなった指でなぞることしか出来なくなってしまった 魂はぬるりとすり落ちてしまったそれはベトベトにぬれたただ自分らしく生きたいだなんて思っちゃっただけヌル…

残像

中学の時にみてたコインその反対側にあったのが今の僕 コップの下に滲んじゃってるミルクティー拭くのもめんどくさいやカランコロンと鳴るオモチャ 中学の時にみてたコイン裏側にうつってたのが今のぼく そこに滲んじゃってるのが今のぼく そのコインはたと…

今日はママがカレーを作ってまってる

そこで待っているのはひまわりそこで舞っているのがひまわり どこにも執念がない日々 白黒テレビに、才能をもてあました唄うたい鏡で囲まれた森では啄木鳥が音を数えるという 俺は頑丈な死人になりたいと、今日も近くをうろつき、他人の家になっている果物ば…

パチンと春を

作品よりも生き方に憧れちゃってそれでこじらせて抜け出せなかった一挙手一投足気にいらなくてやり直した結局うまくなんてならなくて乾いた風が肌を舐めて、骨を誘った昨日より今日はぬるく淡い不確かな価値しかないと知らされた 薄べったい春の香りをパチン…