夏の雑踏のなか

酩酊はひとに身幅を教える
酩酊は人を街路のリンチ見学に誘う
酩酊は豚に平伏を教える


子豚と社畜のダンス 
今にも落っこちてきそう、見物客も見上げるシャンデリア
貴方にはぴったりだ
ずっと音があったならまだマシだったろう
そうすれば醜いあんたも多少ゆれて香水ぬりたくって、知った風な笑顔で


確かなはずだった君の乳房もいつからか午後の夢の中みたいにあやふやで
刺すような痛みはコップに溶けて掻き混ぜて飲み干して
喉にリズム、声には痛み、足音には嗚咽


ビニールガッパを携えて、雨のなか靴音鳴らし色とりどりのグミを口にほうり投げる
そのさなか女の人とすれ違う
なんだか教室でゆらゆら光り輝いていたあの娘のことなんかを、思い出したよ


そのまんまの勢い、公園の半分突き出たタイヤにのって歌をノリノリ、それで俺は人生最初の複雑骨折をしたってワケさ