赤ん坊が握りしめる黒いガラス
コップに反射した光りが目に沁みる
街にはロープが張られているようだ
そのロープは吹き上げる風に
だらりだらりと揺れている
その森林の奥深く、夢のような幻覚の煙の中でリスの皮膚はくずれた樹皮のように濡れていた
そこからはマズイ空が覗いてやがった
現実の俺は吹きっ晒しのアパートで金無し女の乳揉んでりゃそれで腹は減るし
一歩外に出りゃ、疲労をふんだんに含んだハチミツが街中の屋根から垂れ落ちてる
その至るところで子供たちが昼間に遊んだ、ビー玉や竹トンボの痕は静かな呼吸をしていた
美は路上に吐き捨てられたガムのよう
この想いが風に乾かされちまう前に誰か俺を騙くらかしてくれ
浮浪者の麦わらの燃える匂い、豊かなイメージが飛び交い俺を刺激する
さながら匂いしか知られていない花のよう
ただ本質がそこらの空中に蝶か紙切れのようにひらひら舞う
こんな幻想繰り返して、俺が天才じゃなかったらどうするの?