ちょっと不良少年

三人の不良少年
ここはビルの屋上
タバコをコンクリートに押し付けて
上がってきた仲間に苦笑いで挨拶
空はこいつらには不似合いなほどに真っ青で
車もビル清掃員も、無関係な線をおよいでた
うだるような暑さと透明なすずしさ
俺たちはここで終わるのさ
学生時代はそれなりにハッチャケてやってたつもり
学校じゃあ、天下様々だったし
喧嘩なんてなかなか縁が無いが、それでもゲームセンターではうるさく長居してたし、スーパーで意味もなく万引きしてキャッキャッやってた
店内放送つかって悪戯して、店員においだされたっけ
意味もなく涙がこぼれる
それは黒の混じった透明なブルー、手すりを濡らしてよごす、町を汚す
あぁ、街ではこれから始めようって奴らで溢れてる
頼むから、神様頼むから、あいつらの最後が俺たちとはちがうことを
でもすこしでいいから、俺らとおなじことを
似た、おなじ悲しみに似たよろこびを
そう言って彼らはタバコを口に咥えて、空を飛んだのさ
電線に引っかかった鳩が、だらりとなみだを垂らしてた