宣告

私をあなたに溶かし込んでほしい
ほんの少しでいい
面倒だったらかき混ぜないで
この血が匂うなら
別のなにかで洗浄して
自分だけでは耐えられない
風に乾かされ渇き切ってしまう
お願いだから前を向かないで
持ち直すのをやめて
一緒にこのまましずかに
斜面を流れる粘度の高い流体のように
しずかに沈んでいこう
海なんかにひろがるまえに


それを見ながら空が言う
「そんな風に暮らして、
おまえが天才じゃなかったらどうするの?」