2019-02-05 爪先はまぼろしのように 爪先はまぼろしのように 海を磨く誰かが磨いた海 恋人とふたり何となく歩いていた黒い波は光を投げうち、畝る道をあそぶあるくだけはふるだけ海岸には光が無く土地には粒子無く漂流したのは、ランドセルのみでした海にあるのは、砕けた皿ばかりどうしようかこればかり 爪先はまぼろしのよう細かく震動するだけであの妖精の蔓延る森にだって波が追いかかり美はこれじゃあ止まらない収まらないよあの廃れた牧師の薄ら笑い、曲った腰付きのように人殺しをさがす少女の目のように