収穫

未熟な秋は、個人の心情を蔑ろにする
私はそれまで何度も見てきた
そして遂に今それは、奇妙な胸像の塊となって、私の眼前に工夫も無くそびえ立っている


私は以前、不埒な振る舞いの優等生であった
学問も運動もそつなくこなし、苦にしなかった
しかし今わたしはまるでカタワ
ばた足で飛び立つことすら許されない
しかし周囲は私に飽くなき優越を期待した
いや、そうであろうと邪推した
何の悪意もなく、疵と模様の区別もない心で


その優しさが針金のようにはじけて、わたしの血は滴り続けた
朝までそれには手を付けず、自身冷血な批評家であろうと努めた
いざ自ら出番が来れば、私はおどけた
そのハリのない実情を、笑いと先入観の靄で隠し切ろうと前に出た


虚しい歳月を経て、今私は眼前の塊から動けない
この奇妙な幽体から抜け出せない
足を取られてるわけでも無く、ただ背負い込んでしまっている
歳月は以前、私の味方であった
樹木を滴る水は血となって私をむせ返らせ、憤りのページを風が気ままに捲らせる
そしてここでは身を揺らす隙間も無いのだ


その老獪な手はわたしの心臓をつかんで離そうとしない
そしてそのヒタッと触れる感触が、私の季節をアルバムから引き剥がす
愚かなことに、それでも写真のわたしは遊具を背に笑っているのだ